2014ボストンマラソン

今年で118回目の開催となるボストンマラソン。車いすの部も1975年にスタートした伝統ある大会です。レースは毎年マサチューセッツ州の祝日「愛国者の日」(アメリカ独立戦争の契機となった1775年4月19日の「レキシントン・コンコードの戦い」の記念日。現在は4月の第3月曜)に行われており、地元の人々にとっては3連休を締めくくる一大イベント。今年はレース前日がイースターとなり、例年以上にお祭りの雰囲気が濃かった様子でした。

同時に、昨年のテロ事件の影響も強く感じられます。コース周辺には非常に厳重な警備体制が敷かれ、荷物のチェックも厳しく行われていました。街では至る所で、今大会のスローガンとなった「BOSTON STRONG」と書かれたTシャツやメッセージボードが見られます。テロで亡くなった4名を追悼するメッセージも多く掲げられていました。

このように祝祭と追悼の入り混じった独特の緊張感の中、9時17分に、男子49名女子13名がエントリーした車いすマラソン(T53/54)のスタートが切られます。

2014ボストンマラソン

男子は出だしからエレンストヴァンダイク選手(南アフリカ)が抜け出し、5km地点で2位集団に15秒の差をつけます。4人だった2位集団からは、10km地点までに山本浩之選手(福岡県)が、20km地点までにはジョルディ・マデラ選手(スペイン)が脱落し、洞ノ上浩太選手(エイベックス・グループ・ホールディングス)と副島正純選手(ソシオSOEJIMA)の2人が先頭を追いかける形となりました。

トップと2位集団との差は30秒前後を推移したまま縮まらず、先頭を走り続けたヴァン・ダイク選手が1時間20分36秒でゴール。左の拳を力強く握り、10度目となるボストンマラソン優勝の瞬間を迎えました。

2014ボストンマラソン エルンスト・ヴァン・ダイク選手

続いて2選手がゴールへと続く直線へ姿を現します。一体となったままゴール前に突入し、手に汗握る日本人同士のスプリント勝負を制したのは洞ノ上選手。タイムは両者ともに1時間21分14秒でした。

2014ボストンマラソン 

女子は土田和歌子選手(サノフィ)が前に出ると、5km地点では25秒遅れて2人の集団が、50秒程遅れて5人の集団が後を追う展開となりました。土田選手は15km地点まで独走を続けますが、20km地点でタチアナ・マクファーデン選手(アメリカ)が追いつきます。

マクファーデン選手は25km地点までに先頭に立つと、徐々に差を広げていき、そのままトップでゴール(1時間35分06秒)。自国アメリカ人選手の2連覇に、沿道の観客は大歓声で応えました。

2014ボストンマラソン タチアナ・マクファーデン選手

2位にはタイム1時間37分24秒でゴールの土田選手が入りました。

2014ボストンマラソン 土田和歌子選手

スサンナ・スカローニ選手(アメリカ)が3位でゴールします(1時間38分33秒)。

2014ボストンマラソン スサンナ・スカローニ選手

優勝者には随時トロフィーの授与が行われていきます。2001~2006、2008~2010、そして2014年とボストンを10度制したヴァン・ダイク選手は現在41歳。どこまで優勝数を伸ばせるか、それを食い止めるのは誰になるのか、どちらも来年の楽しみとなるでしょう。

2014ボストンマラソン エルンスト・ヴァン・ダイク選手

この日が25歳の誕生日だったマクファーデン選手には、観客から再び惜しみない拍手が贈られます。2012ロンドン夏季パラリンピックの金メダリスト(400m、800m、1500m。T54)であり、2014ソチ冬季パラリンピックではクロスカントリースキー1kmスプリントで銀メダルを獲得。2013年にはロンドン、ボストン、シカゴ、ニューヨークの4つのマラソンで優勝しており、若くして一時代を築いている選手です。この強さはどこまで続くのでしょうか。

2014ボストンマラソン タチアナ・マクファーデン選手

<男子上位結果>
1.Ernst Van Dyk(南アフリカ) 1時間20分36秒
2.洞ノ上浩太(エイベックス・グループ・ホールディングス) 1時間21分14秒
3.副島正純(ソシオSOEJIMA) 1時間21分14秒
4.Marcel Hug(スイス) 1時間24分39秒
5.Jordi Madera(スペイン) 1時間24分42秒

8.山本浩之(福岡県) 1時間25分15秒

<女子上位結果>
1.Tatyana McFadden(アメリカ) 1時間35分06秒
2.土田和歌子(サノフィ) 1時間37分24秒
3.Susannah Scaroni(アメリカ) 1時間38分33秒
4.Manuela Schaer(スイス) 1時間39分39秒
5.Shelly Woods(イギリス) 1時間41分42秒

※大会結果詳細は大会HPをご覧下さい
(取材:水上航太郎/セプティメルスポーツ)

関連記事: