ソウル2015 IBSAワールドゲームズ チェス

5月10日(日)から17日(日)まで韓国のソウルで開催されている、ソウル2015 IBSAワールドゲームズ。IBSA(国際視覚障害者スポーツ連盟。International Blind Sports Federation)が主催する視覚障がい者のためのスポーツ世界大会で、今大会で第5回目を迎えました。以下の9競技が実施され、日本からは82名の選手と7名のガイドがエントリーしています。

  • 陸上
  • 柔道
  • ゴールボール
  • 5人制サッカー(ブラインドサッカー) B1・B2/B3
  • パワーリフティング
  • 水泳 ※日本選手不参加
  • テンピンボウリング
  • チェス ※日本選手不参加
  • ショウダウン ※日本選手不参加

今回は普段のレポートとは異なり、日本であまり馴染みのないスポーツをご紹介します。最初にお伝えするのはチェス。スポーツというと身体的運動を伴う競技をイメージしがちですが、思考により対戦相手と争うマインドスポーツも広義のスポーツであり、IBSAの競技種目となっています。

ソウル2015 IBSAワールドゲームズ チェス
チェス会場のE-room Center

今大会には25名が参加し、7日間に渡って対戦を行い順位を決定します。ルールは一般のチェスと同じですが、視覚障がい者のために特殊なボードの使用や競技アシスタントを付けることが認められています(今大会が準拠するLaws of Chess 2014では、annex Dに視覚障がいのあるプレーヤーのためのルールが記載されている)。また、一括りに視覚障がい者と言っても、全盲またはほぼ全盲のB1クラスの選手もいれば、いわゆる弱視と呼ばれるB2、B3クラスの選手もいるため、各選手がそれぞれの環境で競技を行うのがチェスの特徴と言えるでしょう。

ソウル2015 IBSAワールドゲームズ チェス
奥の両選手ともB1クラス。左のマット・イドリス・ビン・サマン選手(マレーシア)は手で駒の位置を確認し、手前のアシスタントが相手が動かした駒を反映させるなどの補助を行う。

ソウル2015 IBSAワールドゲームズ チェス
トゥドレル・トゥピルシ選手(ルーマニア)は自らの盤に顔を近づけて戦況を確認

ソウル2015 IBSAワールドゲームズ チェス
選手自らが持ち込む盤は、白マスが黒マスより一段下がっており、マスの中央には駒を差し込む穴が開いている。また、触って識別できるように、黒の駒は先端に突起がある。

ソウル2015 IBSAワールドゲームズ チェス
アシスタントの補助を受けて駒を動かすアブドゥラシッド・アリムハノフ選手(カザフスタン/B1)。対戦相手は写真左手前の選手で、必ずしも正面に向き合って指すわけではない。

ソウル2015 IBSAワールドゲームズ チェス
B2以上の選手同士の対戦は1つの盤を挟んで行われることが多い。奥のスタニスラフ・ババルキン選手(ロシア/B2)は今大会参加者の中で最もイロレーティングの高い選手(2347)。

ソウル2015 IBSAワールドゲームズ チェス

ソウル2015 IBSAワールドゲームズ チェス
棋譜の取り方も様々で、紙にペンで記入する選手もいれば、点字器を使用する選手もいる。チェスクロックに接続されているのはイヤホンで、情報を音声で確認することができる。

ソウル2015 IBSAワールドゲームズ チェス
静かな会場に響く、指した手を宣言する声や、手で駒を触る音。マインドスポーツの発する独特の緊張感は、視覚からだけでなく聴覚からも味わえる。

※大会詳細情報は、大会公式HPをご覧下さい
※今大会のチェスの結果はChess-result.comの大会ページをご覧ください
(取材:水上航太郎/セプティメルスポーツ)

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