第28回全日本障害者ライフル射撃競技選手権大会

11月28日(土)、29日(日)の2日間、長崎県小江原射撃場で開催された第28回全日本障害者ライフル射撃競技選手権大会。日本全国から28名がエントリーし、それぞれの競技種目で得点を競いました。

今大会でエントリー対象となった種目は、まず使用する銃の種類により大きく3つに分けられます。ビームライフル/ビームピストルは、銃に関する法規制がある中で競技人口増のために考案された日本独自の種目です。

  • ライフル(R1~R9。R1~R5:エアライフル(10m)、R6~R9:スモールボアライフル(50m))
  • ピストル(P1、P2:10mエアピストル(AP)。IPC射撃の種目としてはP1~P5まである)
  • ビームライフル(BR)/ビームピストル(BP)

ライフルには射撃姿勢が4つあります。ピストルは立射のみ

  • 立射(S:Standing)
  • 膝射(K:Keeling)
  • 伏射(P:Prone)
  • 肘射(T:Table。ビームライフルのみ)

選手のクラスは3つありますが、SH1はライフルとピストルにより定義が異なります。SH2はライフルのみのクラスです。

  • SH1(ライフル):下肢に障がいのある選手
  • SH1(ピストル):上肢もしくは下肢に障がいのある選手
  • SH2(ライフル):上肢に障がいのある選手(下肢障がいの有無は問わない)
  • SH3:視覚障がいクラス(日本独自)

各種目の銃の種類、射撃姿勢、クラス等は、基本的には次のように表されます。

  • (種目):(銃の種類)(射撃姿勢)(弾数)(選手性別)-(クラス)

例えば「R5:10mP60MW-SH2」は、R5という種目が、エアライフルによる10m伏射、男女混合、SH2クラスの選手による競技であることを表しています。射撃姿勢はピストルでは省略される他、ライフルでは「3x」で表される立射、膝射、伏射の3姿勢の種目(「3×20」はそれぞれの姿勢で弾数20、計60弾)が、ビームライフルでは「F」自由姿勢もあります。

得点は、標的の中心が10点、最も外側が1点のエリアとなっており、種目によって整数または小数点1位までで計算。10点のエリアに着弾しても、より中心に近ければ10.8点とカウントされることもあります。標的の大きさは種目毎に決められています。

第28回全日本障害者ライフル射撃競技選手権大会
10mエアライフル/エアピストル射場

第28回全日本障害者ライフル射撃競技選手権大会
電子標的。右が10mエアピストル、その他は10mエアライフルのもの

第28回全日本障害者ライフル射撃競技選手権大会
着弾点や得点などの情報が表示される。ディスプレイは、選手の手元と天井吊りの2つあり、観客もリアルタイムで情報を確認できる。

【大会1日目】
■R2:10mS40W-SH1(エントリー1名)
SH1立射はライフルを腕だけで支えて競技を行いますが、弾の装填時はライフルレレストに銃を置くことが可能。10mエアライフルの標的は、1点圏(得点圏の最外)が直径45.5mmで、直径5.5mmの9点圏まで5mmずつ小さくなっています。10点圏は直径0.5mmの白点で、4点圏より内側の直径30.5mmの領域が黒く塗られます。競技時間は50分。

<上位結果>
1.武樋 いづみ(高知県) 391.5

第28回全日本障害者ライフル射撃競技選手権大会 武樋選手
武樋選手

■R4:10mS60MW-SH2(エントリー1名)
SH2クラスの選手はライフルを支持するスタンドの使用が可能。競技時間は75分。

<上位結果>
1.木下 裕季子(神戸市) 616.8

第28回全日本障害者ライフル射撃競技選手権大会
木下選手

■P1:10mAP60M-SH1(エントリー2名)
標的は1点圏が直径155.5mmで、直径11.5mmの10点圏まで16mmずつ小さくなっています。10点圏の内側にはインナーテンと呼ばれる直径5.0mmの円が描かれます。黒く塗られるのは7点圏内側の直径59.5mmの領域。競技時間は75分。

<上位結果>
1.渡邊 裕介(広島県) 497
2.高石 彰(京都府) 485

第28回全日本障害者ライフル射撃競技選手権大会 渡邊選手
渡邊選手

■R3:10mP60MW-SH1(エントリー7名)
10mエアライフル伏射では射撃椅子とテーブル使用が義務付けられ、両肘をテーブルに置いて射撃。競技時間は60分。

<上位結果>
1.片山 友子(大阪府) 624.0
2.渡邊 裕介(広島県) 623.6
3.佐々木 大輔(埼玉県) 622.2

第28回全日本障害者ライフル射撃競技選手権大会
片山選手

■R5:10mP60MW-SH2(エントリー3名)
基本的にはR3と同様ですが、SH2クラスでは選手の障がいの状態によっては両肘をテーブルに置かなくてもOK。競技時間は60分。

<上位結果>
1.瀬賀 亜希子(神奈川県) 635.3 ※日本新記録、大会新記録
2.木下 裕季子(神戸市) 618.8
3.瀬賀 康昭(神奈川県) 615.7

第28回全日本障害者ライフル射撃競技選手権大会 瀬賀選手
来年のリオデジャネイロパラリンピック出場が内定している瀬賀選手。大会による出場枠振り分けはすでに終了しており、日本は1枠のみの獲得となっている。

第28回全日本障害者ライフル射撃競技選手権大会 瀬賀選手

第28回全日本障害者ライフル射撃競技選手権大会
多くの人が日本新記録誕生の瞬間を見守った

【大会2日目】
■R8:50m3x20W-SH1(エントリー1名)
膝射、伏射、立射を20発ずつ行う競技。膝射では射撃椅子とテーブルを使用することができ、その場合は1つの肘をテーブルに置きます。また、50mライフル伏射では、椅子とテーブル使用または地面に伏せる姿勢のどちらかを選択可能。

50mライフルの標的は、1点圏(得点圏の最外)が直径154.4mmで、直径10.4mmの10点圏まで16mmずつ小さくなっています。10点圏の内側にはインナーテンと呼ばれる直径5.0mmの円が描かれます。3点圏の途中より内側の直径112.4mmが黒く塗られる領域。競技時間は105分。

<上位結果>
1.武樋 いづみ(高知県) 554 ※日本タイ記録、大会新記録

第28回全日本障害者ライフル射撃競技選手権大会 武樋選手
椅子とテーブルを使用し、左肘を置いて膝射を行う武樋選手

第28回全日本障害者ライフル射撃競技選手権大会
50m射場

第28回全日本障害者ライフル射撃競技選手権大会
50mライフル標的

■R6:50mP60MW-SH1(エントリー7名)
50mライフル伏射は射撃姿勢が選択できるのが特徴。競技時間は50分

<上位結果>
1.渡邊 裕介(広島県) 608.2 ※日本新記録、大会新記録
2.岡留 晴文(鹿児島県) 599.6
3.牧 清信(熊本県) 598.4

第28回全日本障害者ライフル射撃競技選手権大会 渡邊選手
射撃椅子とテーブルを使用する渡邊選手

第28回全日本障害者ライフル射撃競技選手権大会 岡留選手
岡留選手は伏せた姿勢で射撃

■BRT40MW-SH1(エントリー5名)
肘射は、肘をテーブルに置いて射撃するビームライフル独自の射撃姿勢。ビーム競技は全て距離10mで行われます。競技時間は30分。

<上位結果>
1.東 宏(大阪府) 415.8
2.松田 崇克(神戸市) 404.1
3.城間 梨沙(沖縄県) 377.1

第28回全日本障害者ライフル射撃競技選手権大会
ビームライフル肘射の様子

第28回全日本障害者ライフル射撃競技選手権大会
奥がビームライフル用標的。着弾点や得点が手前の機器に表示される

■BP40MW-SH1(エントリー3名)
競技時間は45分。

<上位結果>
1.山内 裕貴(山口県) 352 
2.渡邊 裕介(広島県) 348
3.高石 彰(京都府) 325

第28回全日本障害者ライフル射撃競技選手権大会
選手により様々な姿勢で行われるビームピストル競技。着弾点や得点は手元のパソコンの表示される

■BRS40MW-SH1(エントリー2名)
競技時間は30分。

<上位結果>
1.金城 和真(沖縄県) 391.2 ※日本新記録、大会新記録
2.渡辺 英雄(大阪市) 331.8

第28回全日本障害者ライフル射撃競技選手権大会 金城選手
日本新記録で優勝した金城選手(中央)

■BRF40MW(エントリー11名)
ビームライフル自由姿勢はクラス分けも無く、誰でも参加できるオープンな種目。1チーム3名による団体戦も行われました。競技時間は30分。

<上位結果>
1.東 宏(大阪府) 425.3 ※日本新記録、大会新記録
2.松田 崇克(神戸市) 421.3>
3.木下 裕季子(神戸市) 420.3>
団体戦優勝:大阪府(東 宏、宮城 柚那、池口 裕介) 1261.9

※大会詳細情報は、日本障害者スポーツ射撃連盟HPをご覧下さい
(取材:水上航太郎/セプティメルスポーツ)

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