2016 全豪OP 車いすテニス

1月27日(水)から30日(土)にかけて、オーストラリアはメルボルンで開催された2016全豪オープン車いすテニス。男子8名、女子8名、クアード4名のトッププレーヤーが集結し、会場となったメルボルン・パークで2016年最初のビッグタイトルを争いました。今年は猛暑に見舞われることは無かったものの、降雨による試合中断やスケジュール変更の相次ぐ大会となりました。

男女シングルス、ダブルス、クアードダブルスはトーナメント、クアードシングルスは総当り戦の後、上位2名による決勝戦を行う形式です。なお、グランドスラムでクアードクラスが開催されるのは全豪と全米の2大会のみですが、今年はパラリンピックと日程が重なるため全米での車いすテニス開催は無し。そのためクアードにとっては今大会が2016年唯一のグランドスラムとなります。

2016 全豪OP 車いすテニス
会場のメルボルン・パーク

■男子
シングルスで話題の中心となったのがゴードン・リード選手(イギリス / ITFランク5位)。初戦で大会3連覇中の国枝慎吾選手(ユニクロ / ITFランク1位)を6-3、7-6(1)のストレートで下すと、準々決勝ではグスタボ・フェルナンデス選手(アルゼンチン / ITFランク6位)との死闘を制し(6-3、6-7(6)、9-7)、堂々の決勝戦進出を果たしました。

2016 全豪OP 車いすテニス リード選手
王者・国枝選手を下したリード選手

2016 全豪OP 車いすテニス フェルナンデス選手
フェルナンデス選手は一歩及ばず

反対側の山で勝ち上がったのはヨーキム・ジェラード選手(ベルギー / ITFランク4位)。準決勝のステファン・ウデ選手(フランス / ITFランク2位)との試合では、腰を車いす座面から浮かせショットしたとして反則を取られたウデ選手が審判と激しく口論する場面もありましたが、ジェラード選手は落ち着いたプレーで3-6、6-1、6-3と勝利しています。

2016 全豪OP 車いすテニス ウデ選手
審判に抗議するウデ選手

2016 全豪OP 車いすテニス ウデ選手

2016 全豪OP 車いすテニス ウデ選手
ウデ選手は特殊な形状の車いすに乗るため、一般的な競技用車いすと比べて外見から座面との接触を判断するのが難しい

決勝戦は、実力の拮抗した両選手による緊迫した展開に。第1セットはお互いに1ゲームずつブレークするも、キープが続きタイブレークへ突入。そこでも接戦となりますが、リード選手が9-7で制して第1セットを勝ち取ります。第2セットは第3ゲームをブレークしたリード選手が先行しますが、ジェラード選手が第8ゲームをブレークし、ゲームカウント4-4と追いつきます。しかしジェラード選手は第9ゲームを1ポイントも取れずに落としてしまうと、続くゲームをリード選手がキープして勝負あり。7-6(7)、6-4で勝利したリード選手が、シングルスのグランドスラムタイトル初制覇を果たしました。

2016 全豪OP 車いすテニス リード選手
最後まで勝負強さを見せたリード選手

2016 全豪OP 車いすテニス ジェラード選手
ジェラード選手

2016 全豪OP 車いすテニス リード選手

2016 全豪OP 車いすテニス リード選手

2016 全豪OP 車いすテニス
リード選手の優勝に地元スコットランドからの応援団も大喜び

ダブルスはステファン・ウデ選手(ITFダブルスランク2位)とニコラ・ペフェール選手(ITFダブルスランク3位)のフランス組が優勝。決勝戦では、最終セット0-5と追いつめられてから7ゲーム連取の、驚異的な逆転劇を演じました。

■女子
ディフェンディングチャンピオンのイスカ・グリフェン選手(オランダ / ITFランク1位)が、2試合連続ストレート勝ちで決勝に進出。反対側の山では、同じくオランダのアニーク・ファンクート選手(ITFランク3位)が、初戦の準々決勝を7-6(13)、7-5、準決勝を7-5、7-5といずれも接戦で勝ち上がります。

2016 全豪OP 車いすテニス グリフェン選手
グリフェン選手

2016 全豪OP 車いすテニス ファンクート選手
ファンクート選手

決勝戦では、グリフェン選手が6-3で第1セットを獲得し、第2セットも第7ゲームを終えて5-2と優位に立ちました。ファンクート選手はここから追い上げ5-5と追いつきますが、第11ゲームを痛恨のダブルフォルト2連続で落とします。続くゲームをグリフェン選手が取り、6-3、7-5で勝利。全豪オープン連覇を飾りました。

2016 全豪OP 車いすテニス グリフェン選手

2016 全豪OP 車いすテニス
ここ1,2年でプレーの安定感が増してきたグリフェン選手。今年のパラリンピック金メダル候補の1人だ

ダブルスは上地結衣選手(エイベックス・グループ・ホールディングス / ITFダブルスランク3位)とマジョレーン・バイス選手(オランダ / ITFダブルスランク6位)のペアが、決勝戦6-2、6-2と強さを見せて優勝。上地選手は全豪ダブルス3連覇となりました。

■クアード
総当り戦全勝のディラン・アルコット選手(オーストラリア / ITFランク1位)と、2位通過のデイビッド・ワグナー選手(アメリカ / ITFランク2位)が決勝で対戦。昨年と同様に地元ファンの大声援を受けたアルコット選手が、6-2、6-2の快勝で2連覇を達成します。これで両者の通算対戦席は11勝11敗のイーブンとなり、本格的なアルコット時代の到来を予感させる一戦となりました。

2016 全豪OP 車いすテニス アルコット選手
アルコット選手

2016 全豪OP 車いすテニス ワグナー選手
ワグナー選手

2016 全豪OP 車いすテニス アルコット選手
ファンと喜びを分かち合うアルコット選手。コート外でも講演など積極的に活動する彼の人気は止まるところを知らない

2組のみの参加のため一発勝負となったダブルスは、ワグナー選手(ITFダブルスランク1位)とルーカス・シソール選手(南アフリカ / ITFダブルスランク7位)が優勝。ワグナー選手は4連覇、7回目の全豪ダブルスタイトル獲得です。

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※記事内のランキングは掲載日時点
(写真:竹見脩吾、文:水上航太郎/セプティメルスポーツ)

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